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症状を手放せる場所を見つけよう

カウンセリング

2020年11月9日

症状を手放すために

精神的な不調は、あなたを苦しめる、やっかいなものです。可能であれば、今すぐにでもなくしたいものでしょう。

しかしながら、そうした不調があることで自分が守られることがあるのです。例えば、医師が出す診断書があるからこそ会社にいかなくてよいわけです。あるいは、おなかが痛いからこそ、学校を休むことがゆるされるのです。そのため、会社や学校に行く準備ができないときには、安心して症状を手放すことができないのです。

しかしそうなると、本人としては楽になりたいのに症状が続く、治りたいのに治らない、そんな状態が続いてしまうことが多くあります。精神的な不調には勝手に生じるもの(たとえばここであげた内因性のうつ)もありますが、そうした症状にしても、安心して手放せることができる環境が整うことで、回復に向かうことが容易になるといえます。

では、どんな場所が治るにふさわしいのでしょう?職場や学校は最後に元気になる場所です。ここでも述べましたが、最初から元気すぎては「もう大丈夫でしょ」と、以前の苦しかった状況に戻されてしまいます。職場や学校で症状を手放すのは、慎重に慎重に。うっかりと簡単に治る場所ではないのです。

それでは、家庭はどうでしょうか。もしあなたの家族がとても理解があれば、家庭はたしかに安心して症状を手放せる場所になるでしょう。しかし、家族というのはなかなか難しいもので、あなたがよくなると「もっと、もっと」となってしまうこともまた、しばしばあります。そうした場合、家庭でも症状を手放すタイミングは慎重しなくてはなりません。

最初に安心して症状を手放す場所は、職場や学校でも、そして家庭でもないのです。

第三の場所

筆者はこうした、職場や学校でも、家庭でもない場所のことを「第三の場所」と勝手に呼んでいます。ここは職場や学校、そして家庭とは切り離された場所です。症状を手放したとしても、なにか悪いことが起きないような、自由で守られた対人関係のことを指します。この第三の場所の例としては、自分の気の合う仲間との集まりや、趣味のコミュニティというものがあります。最近はインターネットを通じてこうした場が形成されることも珍しくありません。

筆者の場合、まずはカウンセリングの場が元気になれる「第三の場所」となることを目指します。もちろん、心の底から職場や学校で元気になりたい、というのであればそのように援助します。しかしそうでない場合、カウンセリングの場で元気になっても職場や学校に行くこととは関係ないよ、と説明します。カウンセリングの話が周囲に秘密であることが大切なのはこうした理由もあるのです。カウンセリングで元気になったからといって、家族に学校に引っ張られていくなんてことになったら、おちおち元気になんてなれませんよね。

同じような理由から、 カウンセリングではよくなるための作業を家族にこっそりやってね、とお願いすることがあります。 ゆっくり、そしてこっそり。これが症状を手放すためのコツなのです。

まずは自由で守られた、この第三の場所から元気になるのです。職場や学校、家庭で元気になるのはそれからです。この順番がとても大切です。この第三の場所をしっかり確保して、そこで十分にのびのびと過ごすこと。症状を手放すためには、こうした場所を見つけることが大切となります。

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