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グレーゾーンのお子さんが小学校・中学校をのりきるために

コラム

2020年12月23日

得意なことと不得意なことに差がある子

人はみんな、生まれながらの個性があります。これを、専門用語で発達特性と言います。生まれながらにエネルギッシュな子、生まれながらに自分のしたいことがしっかりある子、などなど。発達特性によっては、「得意なことと不得意なことのギャップが大きい子」も存在します。

生まれながらにエネルギッシュな子の場合、じっと待っていることはとっても苦しくて苦手だけど、体育の授業ではみんなを引っ張ったり、お友達に愉快な遊びを提案して輪の中心になっていったりします。

生まれながらに自分のしたいことがしっかりある子は、みんなと足並みをそろえて行動するところに苦しさを感じることがあっても、自分のペースで取り組める好きなことや得意なことを活かして、他の人にできない発見や創作を行うこともあるでしょう。

大人になって仕事を選ぶ時、得意なことを活かせる仕事についていきます。

得意と不得意に大きな差があっても、得意を長所として輝かせ、社会的な地位を築いていける強みとなります。

ただし、小学校と中学校は例外です。日本の義務教育では、勉強面や集団行動において、みんなと同じことを平均的に行うことが求められます。そのため、得意と不得意の間に大きな差がある子は、難しさを感じやすいのです。

言い方を変えれば、得意と不得意の間に差がある子は、小中学校さえ乗り切れば、その後の長所を生かせる時間が待っています。そこで、今回は小中学校を乗り切るための方法をいくつか提案していきます。少しでも参考になれば幸いです。

「みんなと同じ」を求められる小学校と中学校でできる工夫

エネルギッシュな子の場合:

目に飛び込んできた刺激に反応しやすい子がいます。そういった子は、大切なこと以外の情報が目に飛び込みにくくする工夫が行えると良いでしょう。その子を取り巻く環境に工夫を施すことを「環境調整」と言います。

教室の一番後ろの席に座ると、授業中にクラスの子の行動が目に飛び込んできて、授業に集中しにくくなるかもしれません。前もって先生に「目に入る刺激や情報に反応しやすい」ことを伝えておき、黒板の前の席に座らせてもらえると良いでしょう。

また、黒板周りではなく、教室の後ろに掲示物を張るなどして、授業中は黒板のみに注意が向けやすくなると、より授業の内容に集中しやすくなります。

マイペースな子の場合:

テレビなど、テレビの都合で話がどんどん進むものより、本など自分のペースで読み進められるものを好む子がいます。そういった子は、「みんなと一緒に行動しよう」を苦しく感じることもあります。

授業中にわからないことがあった場合、限られた時間内に、自分のわからないところ把握して、先生に教えてもらえる形で質問を言葉に固めて、全員の前でタイミングよく手を挙げて実際に尋ねるというプロセスがものすごく難しく感じられることもあります。そういった場合、授業でわからないことがあるとその後の授業についていけなくなることもあるでしょう。「わからないことがあったら後で先生や親に教えてね」と前もって伝えておくことで、その子は「わからないことがあってもいいんだ」「聞いていいんだ」と安心できるでしょう。質問を受けた際は「こんなこともわからないの」とは言わず、「わからないことをしっかり質問できて偉いね」と褒めてあげましょう。

人見知りが強い子の場合:

一度わかったことは問題なく取り組めるけど、初めて挑戦することは周りの子より極端に苦手・不器用な子もいます。そういった子は、情報を捉えるところに難しさを感じていることが多いです。

状況を捉えることが得意な子は、全体を大まかに捉える力が強いです。目で見る力や、大切な部分にパッと注意を向ける力が強いのです。

一方で、一つのことを極めることが得意な子(注意力を一点に集中することが得意な子)は、初めての場面で情報量があまりに多くて「どこに注意を向けたらいいの?」「ここで大切なことは何?」と混乱しやすいのです。

事前に「明日初めて行くところはこういう場所だよ」とわかりやすく説明しておいたり、小学校入学前であれば事前に学校へ遊びにいって、慣れるまでの時間を多めに用意しておくなども効果的な工夫でしょう。

工夫を取り入れても難しさが強い場合

工夫を取り入れることで困り感が減る場合は、どんどん環境調整や工夫を取り入れてください。発達特性が濃くても、困り感が強くなければ発達障害とはなりません。

一方で、個人の行動範囲だけでは対応に難しさが強く生じる場合は、周囲の配慮や、特別な教室などに参加することが望ましいでしょう。

小学校でのつまづき経験を少なくするメリット

社会で生きていくために最も大切なことは、「自分はできることがたくさんある」という実感を持つことです。小中学校で成功体験を積み重ねることは、自信につながります。

というのも、人が社会で生きていくために、それぞれの時期で乗り越えられると良いステップがいくつかあると言われています。

生まれてから幼稚園に就園するまでの時期では、「この世界って安心できる場所だな」「自分は大人にお世話をしてもらうに値する人間なんだな」という基本的な信頼感を身につけることが必要なステップであると言われています。

小学校の時期における課題は、「みんなと同じように過ごせること」です。

中学校や高校の思春期あたりに「人とは違う自分」を見つけて自分らしさを確立させていく時期に入ります。この時期に「他の子は色々魅力があるのに、自分には何もない」と感じる体験をした人も多いのではないでしょうか。

他者とは違う自分らしさを見つけるためには、まず「みんなと同じように過ごせる」ことが大事な前提となります。

「みんなと一緒に過ごせるけど、その上で自分にはこんな個性がある」とポジティブに捉えられるか、「みんなと自分はそもそも違うんだ。自分なんて…」とネガティブに捉えるかの分かれ目になりやすいのです。

おわりに

得意と不得意に差がある子は、大人になってから得意を生かせる環境に身を置きやすくなります。しかし、小学校や中学校でのつまづき体験が多いと、得意なことがあったとしても、自分のネガティブなところ位ばかり目がむきやすくなります。

自分に自信を持って成長していけるよう、できる工夫は積極的に取り入れてみてください。また、一人では抱え込まずに、周囲の人や、専門家にも相談してみてください。

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